WESSRUN! RUN! RUN! スペシャルインタビューTHE COLLECTORS

RUN! RUN! RUN! スペシャルインタビュー

PICKUP ARTIST

THE COLLECTORS

日本武道館。

ミュージシャンなら誰もが一度はそのステージに立ちたいと願う場所。

建て替えの噂も立っては消え立っては消えするが、ザ・ビートルズが演奏した、今のままの武道館でコンサートを行っておきたいと願うバンドは数知れずだ。その武道館での公演に果敢にチャレンジするのがTHE COLLECTORSだ。

昨年4月から始まった【30th ANNIVERSARY YEAR】の締めくくりとして3月1日、いよいよあのステージに足跡を刻む。

通常、『WE!』でのこのインタビューページでは、道内でライブを行うアーティストのインタビューを掲載しているが、今回は『特別版』。WESSはこの記念すべきライブを応援しているのだ。祈・大成功!願・ソールドアウト!と応援しているのだ。

「まだ完売してません!あともう少し!記念のこのライブを、これまで関わってくれ、応援してくれた皆さんと、満員の中【すっごく楽しい祭り】にしたいんです!」と、わざわざキャンペーンに来札してくれた、ギターの古市コータローにエールを込めて話を聞く。

THE COLLECTORS

INTERVIEW

・これは聞いた話なんですが、昨年11月のcube gardenでのライブの際に、加藤さんが「たまにペニーレーン24でもライブをやりたいんだけど、ウエスが貸してくれないんだよぉ」と言ったそうですね(笑)。そしたらコータローさんが「N木がな」って個人名を出したとか(笑)。前回ペニーレーンを使ってくれたのはthe pillowsとのツーマンの時で、それも2010年ですからもう6年も前で。

「そうそう、そうなんですよ。だってススキノのJRAの近くにあった時にも演ってるんですよ」

 

・そうなんです。調べてみたら1988年でした。昔のペニーレーンを使ってて今も現役のバンドって、ほんと少ないと思います。しかしよく覚えていますね。

「記憶力いいんですよ(笑)。糸末ってラーメン屋も近くにありましたよね。それも2軒あった。好きだったなぁ。あじ太郎の弁当も旨かったなぁ。ザンギが有名だけど、生姜焼き弁当がもっと旨いんですよね(笑)。初めての札幌のワンマンがその昔のペニーレーンだったんですけど、その時に怒髪天の増子直純が見に来ているんです」

 

・へえ〜!そうだったんだ。

「そうなんです。そして増子が『コレクターズっていいバンドだったぞ』って山中さわお(the pillows)に教えたらしいですよ(笑)」

 

・そういう繋がりが30年近く経った今も続いているんですね。

「そうそう、そうなんですよ(笑)。その頃の増子は怒髪天の札幌時代ですよね。あの頃のペニーレーンってペパーミントグリーンな内装だったよね?確か札幌の前が仙台のヤマハホールでさ、僕が車を運転して札幌に入って来たんだよ。まだ冬道で雪があったと思うよ。

(注:コレクターズ30周年を記念して昨年9月に発売された完全受注限定生産の、CD23枚とDVDからなるBOX SET『MUCH TOO ROMANTIC!』に付いている詳細な資料の詰まったブックレットによれば、札幌公演は3/25のことで、仙台は3/23の仙台ヤマハホールであった。確かに、きっと雪はまだ残っていたことだろう。恐ろしい記憶力!)」

 

・その2年後の90年にペニーレーンは今の場所に移ってきて、94年から毎年ライブがありましたが、それも99年が最後ですね。

「覚えてますよ。2000年に入ると事務所の問題とかあってちょっとゴタゴタしちゃっていて、ライブも少なかったし北海道まで来られてないんじゃないかな?再出発って感じでやったのがKRAPS HALLだったと思います」

 

・昨年から30周年イヤーとしていろいろと続いているじゃないですか。4月の日比谷野外大音楽堂ワンマンから始まり、10月からと今年1月からの二つのツアーも終わって、残すところは2月の渋谷クアトロでの武道館カウントダウンライブがそれぞれゲストを招いての3回、そしていよいよ武道館と、残り少なくなってきているじゃないですか。今はどんな気分なんですか?

「武道館は、演出面とか演奏面ではなんの心配もしてないです。楽しむしかないです。だけど個人事務所だしチケットの売れ行きだけが心配ですね(笑)。やっぱりこれだけみんなから応援してもらっていますからね、いいカッコができるようなように演りたいし、満員の中で演りたいじゃないですか。やっぱり売り切りたいですよね。それに、もし売り切れても席は増やせるじゃないですか(笑)?(注:武道館は円形なので、ステージ真裏席とかステージ見切れ席とか、360度全てのチケット販売も可能なのです)」

 

・年齢の高いお客さんって、ギリギリになるまでチケット買わない人も多いんですよね。

「そうなんだってね。前に武道館をやったバンドに聞いたんだけど一ヶ月前になってから急にチケットが動き出したらしいんだよ。その気持ちはわかるけどさ〜、『早く安心させてよ!』って感じなんだよなぁ(笑)」

 

・武道館はワンマンとしては初ですがイベントでは何度か出ているでしょうし、その緊張はないでしょうけど、、、。

「いや、やっぱり丸ごと自分たちだけで使えるという、なんて言うのかなぁ、ドキドキ感とかけっこう好きだし嬉しいですよ。でも演奏面ではバンドの距離感は変わんないし、メンバー間のアイコンタクトも出来るし、それは変わんないですね。アイコンタクトといえば、ここ最近ベースとドラムが変わったじゃないですか。でもカウント無しにアイコンタクトだけでジャーンって音を出せるようになっているんですよ。ドラムのワン・ツー・スリー・フォーというカウントがなくていきなりジャーンって音を出せるようにまで既になっていますね。ツアーの中でどんどん仕上がっていますよね」

 

・そもそもなんですけど、武道館公演って、怒髪天が行い、そのバトンがフラワーカンパニーズに受け継がれ、それが今度コレクターズにバトンタッチされ、噂ではそれが次は某バンドに受け継がれる、みたいな流れが、そんな美しい流れがあると聞いているんですけど、そもそも武道館ってやりたかった場所なんですか?

「立ちたかったかどうか、そうでもなかったか?ということで言えば、考えた事もなかった、というのが正直なところですね。コレクターズとして無理して立つべき場所じゃないだろう、って。でも、『ギタリストとして将来メシを食っていこう!』と決めた高校生時代の自分からしたら『いつかやってやる!』という場所ではありましたけどね。やっぱり僕らの世代としては武道館というのはやはり特別な場所ではありますよね。THE BEATLESというのが一番大きいけど、WHOも見たし、CHEAP TRICKも見たし、Eric Claptonも見たし、ピンクレディも見た。矢沢永吉さんなんてもう30回くらいは見てますもんね。Phil Collinsも見た、KISSも見た。相当見てますよ、武道館では」

 

・武道館って、1万人規模というけど、けっこうステージが近い感じがしますよね。

「そうそう、でもステージに立つともっと客席が近い感じがしますよ。アリーナなんてすぐそこだもんね、だからね、俺の行儀悪いのが全部見えていたんだなって、今恥ずかしいくらいですよ(笑)。今井美樹も見たなぁ。ギターが布袋さんと今剛さんだったんです。異色の組み合わせでしょ?だから興味あって見に行ったんです」

 

・武道館、演奏面では怖いモンなしなんですね。

「普段通りのことを楽しんで演るだけですね。ゲストが入るわけでもないし、ホーンや弦やらを入れる訳でもないし。もうセットリストも決まっていますしね。今ここではまだ言えないけど(笑)。昔ね、冗談でね、『もし俺たちが東京ドームやる時には1曲目は絶対“僕はコレクター”だな』って話していた事があるんですよ。その時には武道館とは言ってなかったな、東京ドームだったな(笑)。デビューアルバムのタイトル曲だし、リフの強さもあるし、ピッタリだと思うし、それも考えたんですよ。でも今はライブの最後にお客さんも参加する事が定番になっちゃっているから、1曲目に演ったらお客さんにも迷惑だろうと(笑)。『取っておいてよ、最後まで』って言われそう。」

 

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・実はですね、12月7日発売の22枚目のアルバム『Roll Up The Collectors』の初回盤には、4月に行われた日比谷野外大音楽堂での30周年記念ライブを全て収めたDVDが付いているじゃないですか。それは当然自分たちの考えた30年のベストな選曲だと思うんです。そして9月には、初のファン投票による2枚組ベスト盤『Request Hits』が出ています。これは当然ファンの方々の考えた30年のベストな選曲です。これを較べて見るとですね、意外に選ぶ曲が違うものだなぁと思いまして(笑)。記念ライブの23曲中ファンベストにも入っているのは12曲で、残り11曲は実はファンベストには入っていないという。この違いは一体ナンなのだろうか?と(笑)。特にライブでは2曲目に演奏している『虹色サーカス団』とアンコール2曲目の『CHEWING GUM』、どちらもライブでは重要な位置で演奏している曲がファンベストでは選ばれていないと。この『違い感』は一体ナンだろうか?と思うわけですよね(笑)。

「ははははは。武道館には初めての人も来るんじゃないかと予想してるんですよね。だから曲は王道なものを演ろうと思っているんですよ。で、こっちの野音はキャパも2500人くらいだし、武道館ほど大きくないし、コアなお客さんが多いんで、選曲は変わりますね。例えば『プリティ・ガール』なんて新しいお客さんは多分誰も知らないと思うんですよ。でもライブでは人気のある曲だから野音では演ったし。ライブって流れがあるじゃないですか。だからアルバムの選曲とはどうしても違ってきちゃいますよね」

 

・『東京虫バグズ』が野音のセットリストに入っていないのも不思議でした。

「それは25周年の野音の時のオープニング曲だったんですよ。だから今回は敢えて外したんですよ。野音ライブで1曲目に『NICK! NICK! NICK!』を持ってきて、次に『MILLION CROSSROADS ROCK』を繋げてガーッと行くのもいいんだけど、ちょっとテンポを変えたい、ムードを変えたいって時に『虹色サーカス団』は重宝する曲なんですよ。The Smithsのライブアルバムに『RANK』というのがあるんだけど、その1曲目から2曲目の流れもこんな感じなんだよね。それがカッコイイなぁ〜と思っていたのもあって。『CHEWING GUM』は、お客さんがチューングガムをステージに投げる事が定番化しているし、みんな期待しているから、やっぱりアンコールで演らないと盛り上がらないわけですよ」

 

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・なるほどね。ところで昨年の4月から30周年イヤーとして様々な施策を行っていますが、7月に発売された『愛ある世界 -30th Anniversary Session-』が素晴らしいと思います。参加ボーカリストだけでも、奥田民生/甲本ヒロト (ザ・クロマニヨンズ)/鈴木圭介 (フラワーカンパニーズ)/TOSHI-LOW (BRAHMAN)/藤井フミヤ/増子直純 (怒髪天)/山中さわお (the pillows)/吉井和哉。演奏で参加されたゲストも含めてとても豪華ですよね。しかも公開されている動画をみると、みんなすごく楽しそうにしてて。でも藤井フミヤさんの参加がちょっと意外でした。

「10年くらい前にフミヤくんがBSでやっている番組にゲストで出た時に、一緒に演奏したりして。年齢も向こうが二つ上なだけだし、デビューもそんなに離れてないし、世代的なバックボーンも一緒だからか意気投合しちゃって、終わってから飲みに行ったんですよ。そんなこともあって今回オファーしてみたら二つ返事で『いいよ〜』って言ってくれたんですよ。ほんとに気さくに受けてくれました」

 

・でもこの映像はみんな楽しそうに笑いながら歌って、笑いながら演奏していて、このプロジェクトに参加出来て名誉です、とかじゃなく、コレクターズと一緒にスタジオに入ってることをとても楽しんでいる雰囲気に満ちていて、見ていてこっちもニコニコしちゃいました。長く活動してきた【ご褒美】みたいな感じでした。

「そう、ほんと、ご褒美ですよね。20周年だったらきっと実現しなかったと思うんだよね。30年だから『じゃあ、やろうか』ってなったような気がするなぁ」

 

・スタジオに集まった時にはすでに武道館をやることは発表されてたんでしょうから、【みんなからのエール】のようでもありますね。

「そう、そう、そうですよ。本当に楽しくてあり難かったですね。みんなサスガな人だから、歌ったらすぐにハマルんですよね」

 

・フェイクを入れて来る人もいたり(笑)。

「増子なんかは『普通バージョン』と『増子節強調バージョン』と歌ってくれたりね(笑)。いや、皆さんサスガ!でした」

 

THE COLLECTORS -30th Anniversary Session-「愛ある世界」

 

・日本コロムビアによる『ザ・コレクターズ30周年記念ポータルサイト』がすごく楽しいんですが、武道館へのカウントダウン・カレンダーがこれまた楽しいですね。お友達のミュージシャンやら、スタッフさんやら、メディアの方やら、CDショップの方やら、いろんな方が『武道館まであと○○日』というボードを持って参加していて、見ていて面白いんですけど、これはどういうお付き合い?という方も何人かいらして、そんなことを聞いてもいいですか?

「はいはい」

 

・最初の驚きはこまどり姉妹さんです。

「これはもう、レコード会社の大先輩ですよ。加藤くんがUSTREAMでやっている番組にゲストで出てくれた事もあるし、その企画で僕と一緒に浅草にラーメン食べに行ったりしたこともありますよ」

 

・へえ〜、ザ・タイガースの瞳みのるさんは?

「実はウチのベースの山森JEFFが、ザ・タイガースの44年ぶりの再結成武道館コンサートの時にローディをやっているんですよ。そして、その縁なのか瞳みのるさんのソロコンサートではベースを弾いているんです」

 

・すごい繋がりがあったんですね。布袋寅泰さんも?

「イベントでご一緒した時にお願いしてみたら快くすぐに『いいよ〜』って言ってくれてその場で。大御所の方は意外と皆さん気さく」

 

・古田敦也さんも意外な人選でした。スポーツ界から唯一、みたいな。

「古田さんはね、ある忘年会行ったら居たんですよ。僕ヤクルトの大ファンですから、話しかけて頼んでみたらOKしてくれて。嬉しかったですよぉ。憧れの選手ですからねぇ(笑)」

 

・あと『八木橋百貨店』というのも不思議でした。役員の方とコレクターズファンの写真の方が出ていて。調べてみたら埼玉県熊谷市のデパートでしたが。

「ああ、ウチの加藤が熊谷出身なんですけど、その八木橋の偉い人がすごく音楽マニアで加藤くんと古い知り合いなんですよ。ビートルズオタクでね(笑)。そんなんで昔から応援してくれていてライブにもよく来てくれるし。八木橋百貨店の中にはちゃんとしたホールがあるんですけど、そこで親父バンド大会とかあったら審査員で呼ばれたりして。昔はデパートの中にホールがあったりしましたよね。八木橋も創業120年とかの老舗だからその名残があるんじゃないですかね?そうやって行き来している内に社員の方とも顔見知りになって熊谷でライブやる時に来てくれたりして仲良くなったんですよね」

 

・ネットで八木橋百貨店を調べたら、この前話題になっていたドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』のロケ地でもあるんですね。ドラマの中では港急百貨店という名前になっていたようですよ。

「へえ〜!知らなかったけどそんなとこでも有名になってたんだ。ロケ地巡りで来る人もいるかもしれないですね」

 

ザ・コレクターズ30周年記念ポータルサイト

 

・でも、このカウントダウンカレンダーも、さっきの『愛ある世界』も、人との繋がりが生み出した30周年って感じですよね

「ほんと、そうですね。この歳になるとさ、そういうのが沁みますよね。ほんと、ほんとにね、今回はいろんな人に応援してもらって、こうしてやって来れて、、、。武道館はね、まず自分たちが楽しんで演奏して、その上でこの30年に関わってくれたファンも含めたみなさんと【祭り】を楽しみたいんですよね。30年の集大成にしたいんですよね。燃え尽きたいけど、でも燃え尽き症候群にはならず、次を目指す為の集大成ですね。でも【あしたのジョー】のように、灰のように真っ白に燃え尽きるのもカッコイイですよね(笑)。あれも、ホセとの最後の試合も武道館ですからね」

 

・期待しています。北海道からも駆けつけるアツいファンの方もいると思いますが、ほんと、早くチケット買っといた方がいいですよね(笑)。

「頼みます!待っています!」

 

インタビュー 大槻正志(ペニーレーン24)

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